海外で自宅における子供の日本語教育 – デジタル読書・こども新聞など

小学生向けの山積みの本 子連れ海外赴任

あれ、なんか日本語のレベルが低いかも?
海外滞在中の日本語の教育ってどうしたらいいんだろう?

欧州に滞在し1年くらい経った頃から、上の子(小学行程学年)の日本語の読み書きが少し遅れているように感じました。その反省を踏まえつつ、今後の海外駐在にあたって、下の子(現在、年少)への準備もかねて、「自宅でできる日本語教育の方法」について整理します。

海外滞在中、積極的にやらないと国語力はどうなるか?

上の子は、小学校1年生の後半に日本を経ち、約2年間の海外駐在帯同を経て、小学校3年の終わりで本帰国しました。

筆者の子どもの例:海外に行く前、日本語レベルは、並み

筆者の子どもは、小学校1年生の後半から欧州へいきました。日本にいた時は、日本語のレベルは、周りと同じで感じで、本人は苦手意識はありませんでした。

筆者の子どもの例:海外滞在中、日本語の読み書きが苦手に!漢字嫌い・・・

海外滞在中、日常会話には大きな問題を感じなかったのですが、読み書きについては、海外滞在1年目あたりから、読むのが遅いようだ、と感じるようになりました。

家庭内での会話は日本語と徹底していたものの、子どもが自身で選べる読書環境が身近になかったことは、読み書きの能力を伸ばすことが出来なかった理由の一つかと思います。

滞在1年目の3か月間だけ、Z会のオンラインコース、2年目にはZ会の紙コース、2年目の終わり3か月間だけ、日本人向けの塾に通いましたが、筆者の子どもの場合、一番国語力が伸びたのは、日本語の塾のように思います。

海外滞在中、自宅で出来る日本語力アップの方法 ‐ 例

海外で日本人学校に行かない場合、最も望ましいのは補習校や塾へ通うことでしょう。しかし、アクセスや時間の問題で難しいこともあり、自宅でできる日本語教育についてご紹介します。筆者の過去の経験と今後の海外赴任に向けて、整理します。

読書&こども新聞

ヒアリングスピーキングも大事ですが、国語力を高めるには、やはり読書です。

本の選択肢を増やす方法について後述しますが、本だけではなく、定期的に時事問題に触れられる子供向けの新聞の購読もおすすめです。

筆者宅では本帰国後から、紙ベースの読売こども新聞を購読していますが、読売KODOMO新聞は、海外でデジタル購読ができますので、次回海外赴任のタイミングで紙媒体から「読売KODOMO新聞海外サービス」に切り替える予定です。

家の中では一貫して日本語で会話

これまでも実践してきましたが、幼児の頃は、本帰国しても遅れ気味と感じることもありませんでしたが、小学生になると日本語での会話だけでなく、読み書きの頻度によって、大きく差が出てきます。

アウトプット

日本のお友達との手紙のやりとり

筆者の子どもは、細々と友達と手紙のやりとりを続けることができました。しかし、日本語能力のアップにつながるほどではありませんでしたが、「日本語はやっておいた方がいい」という意識が子供に生まれます。

日記

筆者と子どもの間で日記をやったことがありますが、2-3回で終了し、続きませんでした。工夫が必要です。

その他のアウトプットの方法

年齢が大きくなり、本人がやってみたいと思えば、Youtuberやブログなどもありでしょう。

通信教育、オンラインレッスンや塾


読書:本の選択肢を増やす

読み書きの能力を高めるには、やはり「読書」。住んでいる地域や習い事の状況などにもよりますが、「紙媒体」の本だけでなく、「デジタル書籍」も活用することをおすすめします。

紙ベースの本・絵本

子どもの年齢が小さいと、紙媒体の絵本や本は使い勝手が良いです。子供が自身で簡単に本を手に取ることができ、読みやすさという面でも、紙はすぐれものです。

筆者は、過去4回の海外滞在にあたっては、子供の成長を先読みし、メルカリなどで中古の本や絵本を大量購入し、海外滞在先へ持っていきました。読んだ本もあれば、読まなかった本もあり、その時、子どもが興味のある本を本人が選べる環境が欲しいというのが正直なところです。

紙ベースの本の入手方法

  • 自身で日本から持っていく
    自費で渡航する場合は、船便を活用すると航空便よりは安いです。
  • 買う
    高くなりますが、Amazonや、大都市なら日本語の書籍を扱う店舗などで購入する方法も一つです。
  • 図書館などで借りる
    日本人が多い都市であれば、日本人会の図書館があったり、日本人向け塾に図書ブースがあったりしますね。
  • 日本人友達から貸し借りする
    友達から借りる本は興味をもって読みます。会社負担の引越しの方など、海外駐在の日本人家庭の方は、大量の日本語の本を持っている方も。
  • 本帰国する日本人などからもらう、譲ってもらう

電子書籍のサブスク

赴任地が都市部でもなく、先進国でもない日本人コミュニティが小さな国へ滞在するなど、紙の本の入手が難しい場合は、デジタル書籍での読書ですね。子供は紙ベースの本を好みますが、仕方がありません。

Amazon Kids+のサブスクリプション

持参する絵本や、海外の現地で気軽に入手できる本は限られており、筆者の子どもにとっては選択肢が狭かったと思います。

筆者宅では電車での移動も多かったので、スマホから隙間時間にAmazon Kids+のサブスクリプションで本を読んでいました。しかし、スマホでは、画面が小さすぎました。次回海外渡航においては、キッズ向けタブレット・Fire HD 10 を購入し、主に読書用として利用予定です。

子供向け電子書籍のサブスクとして、Amazon kids+は有名ですが、他にも日本の絵本や児童書を扱う電子書籍のサブスクリプションがあります。こちらの別記事もご参照ください。

子供向け新聞

社会のさまざまな出来事に興味のある小学生・中学生・高校生や、受験対策を見据えた語彙力アップを期待する親に支持されているのが、子供向けの新聞です。ルビが振ってありますので、漢字を勉強中の低学年の子どもでも読むことができます。

読売KODOMO新聞

読売のこども向け新聞は、小学生向けの新聞として、全国発行部数No.1を誇ります。紙媒体は日本国内在住者のみが対象ですが、海外在住者に向けては、デジタル購読のサービスも展開しています。

  • 発行頻度
    読売KODOMO新聞:毎週木曜日
    読売中高生新聞:毎週金曜日
  • 料金
    読売KODOMO新聞:月額6ドル
    読売中高生新聞:月額8ドル
    参考:国内在住者向け、紙の「読売KODOMO新聞」は月額550円、「読売中高生新聞」は月額850円)

時事問題以外に、ファッションのコーナーや漫画などもあります。わかりやすく記事がまとめられていて、ついつい親も読んでしまいます。

朝日新聞「朝小プラス」「朝中高プラス」

朝日新聞でも小学生向けと中学生向けの新聞を電子購読できます。時事ニュースから学習問題まで多様な情報に毎日触れられます。毎日読むことで読解力アップが期待されます。

  • 発行頻度
    毎日
  • 料金
    朝小プラス:月額1,900円
    朝中高プラス:月額1,050円

毎日小学生新聞デジタル

毎日新聞には小学生向けの新聞を電子購読できます。ニュースの割合が高く、時事問題の情報収集に役立つでしょう。

  • 発行頻度
    毎日
  • 料金
    月額1,610円

海外で受講できる通信講座の例 ‐ 小学生 【体験談あり】

本の虫のようなお子さんであれば、補習校や塾、通信講座なども不要かもしれません。しかし、本好きでない場合、読書以外で、自宅でできる日本語教育としては「通信講座」です。

国によっても異なりますが、海外でも受講できる通信講座として、Z会とチャレンジをご紹介します。

チャレンジタッチ(公式には海外受講不可、でも実例多数あり)

子供がレッスンに自ら取り組みたくなる仕組みが評判のチャレンジタッチ。海外受講について、公式には、「専用タブレットの保障・サービスの関係上、海外受講が出来ない」とされています。

しかし、実際には、海外でもチャレンジタッチで受講を継続している人は多くいます※

※ネットワークの状況によってサービスを提供できない可能性を考慮した上で、海外受講を公式にサポートしていないようです。海外での受講については自己責任となります。

海外受講者にとっての大きなメリットとしては、電子書籍約1000冊の「電子図書館・まなびライブラリー」です。

  • 子供がレッスンに自ら取り組みたくなる仕組みが良くできている
  • 電子書籍約1000冊の「電子図書館・まなびライブラリー」にアクセスできる
  • 【注意!】海外でチャレンジタッチを利用する場合は、海外では端末を受け取ることはできませんので、日本で受け取り後、出国しましょう。

【筆者の体験談】チャレンジタッチの受講の様子については、こちらの記事で紹介しています。本帰国して半年に満たないですが、日本の小学校の漢字の宿題や歴史漫画や人物漫画を読み漁っているおかげで、読み書きの能力が大きく向上したと思います。

Z会とチャレンジタッチの比較について、別記事「Z会VSチャレンジタッチ体験比較」として受講体験のレビューをまとめています。

Z会

質の高さに定評のあるZ会では、タブレットコースも紙コースも、いずれも海外受講が可能です。

タブレットコース

海外受講者にとってのタブレットコースのメリットは、主に以下の2点です。

  • 自身のタブレットで受講を開始できる(タブレットを既に持っていれば購入しなくてもよい)
  • 海外受講の場合、海外に出国後もタブレットコースで受講を開始できる。タブレットコースは公式にサポートされている

【筆者の体験談】当時小学校2年生になった娘は、タブレットコースで受講開始しました。Z会のタブレットコースは、自身のタブレットを用いて開始できるのが魅力です。しかし、筆者の子どもの場合、タブレットでZ会の勉強をしているかと思いきや、気づけば、他のアプリで遊んでいたりすることが何度かあり、一旦やめることにしました。

紙コース

Z会の紙コースは、勉強する習慣づけが出来ているお子さん、あるいはそれをサポートできる親御さんのご家庭に適しているでしょう。

海外受講者のメリットとしては、以下の通りです(チャレンジの紙コースを受講していないため、その比較はありません)。

  • 紙媒体でも、課題の提出はオンラインで可能。
  • 紙媒体のため、親が子供が取りくんでいる課題を把握しやすい。

【筆者の体験談】前年のタブレットコースでの挫折を踏まえ、小学3年の1年間は、紙ベースのZ会を受講しました。しかし、椅子に座って、紙ベースの問題に自ら取り組む習慣がなかったので、親がスケジュール管理をする必要があり、1年間で終了としました。子供が高学年になり勉強する習慣がつけば、再び候補となるかもしれません。

紙媒体のチャレンジは受講していないため、レビューはありません。

参考:日本語補習校・塾、オンライン塾

日本人学校に通わない場合の日本語教育の機関としては、日本語補習校や塾があります。

  • 日本語補習校:
    日本語補習校は空きがあれば入りたいところですが、私たちが住んでいたエリアでは、現地に永住されている方が幼少の頃から通っており、空きが出ない状況でした。
  • 日本人向けの塾:
    小学校3年生の娘は、本帰国の3か月前から日本人向けの塾に通いました。漢字と国語力も少しアップしたように思います。音読の必要性はわかっていても、なかなかできませんでしたが、塾の先生に「必ず5回読んでください。1回目と5回目では必ず違います」と言われると、娘も頑張ってやるようになりました。
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