孫泰蔵「冒険の書 AI時代のアンラーニング」から学ぶ   

子連れ海外赴任

これからの時代、子どもに必要な教育ってなんだろう?

「AI化が進んでいる今の時代、そしてこれからの時代に、子どもはこれからどうしていけばいいんだろう?」「子供に必要な教育ってなんだろう?」という疑問をお持ちの子育て世代は多いはず。

筆者の場合、ChatGPTが世の中に出てきてから、更に不安が増したこともあり、孫泰蔵氏の「冒険の書 AI時代のアンラーニング」を読んでみました。

ざっくりした所感ですが、この本は「学ぶって何なの?」という大きなテーマに対して、歴史上の偉人から現在活躍する人の考えや功績に触れる冒険に出て、時折、引用も含めながらでわかりやすく整理したもので、大きく共感する箇所がいくつもありました。

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冒険の書 AI時代のアンラーニング [ 孫 泰蔵 ]
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この本をヒントに、自分自身や子育てで大切にしていきたいこと

自分の考えや感情を客観的にみてみよう

自分の考えや感情にはバイアスがかかることがあることを知り、一歩引いてその考えや感情を見ることも大切。著者は「メタ認知」という言葉を使っています。

自由な思考を邪魔しないように、「この考え方は、型にはまっていないか?」「当たり前って、ホントに当たり前なのか?」と自答してみること。

例:オリンピック選手が競技に打ち込み始めた年齢

例えば、「プロになるには幼少期から始めるのがいい」という考え方に対しては、2004年のアテネオリンピックに出場した選手がその種目を本格的に始めた年齢をグラフ化したものを引き合いにだし、競技によって開始年齢のピークは異なるが、水泳は7ー8歳ごろ、バスケットは9-10歳ごろ、バレーボールに関しては17-18歳ごろなど、幼いころから始めなくてもオリンピック選手になれる可能性があることを伝えている。

例:基礎が大事?基礎って何?

「何をもって基礎とするのか。その定義は、実はとてもあいまいです」

引用元:「冒険の書 AI時代のアンラーニング」 著者 孫泰蔵 

「基礎が大事」というが「何をもって基礎とするのか。その定義は実はとてもあいまいなものだ」という著者。型にはまった考え方が自由な思考を邪魔しているのだな。

小さな失敗をたくさん体験していこう

本書では、失敗する権利を尊重している良い例として、禅の修行について触れています。禅の修行では、修行期間中に全員が失敗するしくみになっているそうで、経験のないことを担当させることで(例:薪で大量のご飯を炊く)で最初は必ず失敗するというもの。禅僧の松山大耕さんの言葉を次の通り引用しています。

それは(正解を)教えてもらったら、盲目的にそれしかやらなくなるからです。試行錯誤をしなくなるんですね。絶対に失敗させて、逆に言うと試行錯誤したら、どれだけセンスのないやつでも成功できるんです。全員失敗させて、全員成功させるんです。

引用元:「冒険の書 AI時代のアンラーニング」 著者 孫泰蔵 

救われる言葉だな。

「実感」、「アプリシエーション」という感覚を大切にしよう

著者は、私たちの知識は全て経験にもとづいており、「実感」を身につけることや「アプリシエーション」の大切さを説いています。

能力はあくまでも結果で相対評価でしかなく「アプリシエーション」という励みを持ちましょうという視点は、共感で伸びるSNSを見ていても、確かにとても重要。

まずは自由に遊び、実感をもって深く極めたいと思ったら「自分が基礎だと思うこと」を突き詰めていく、子育てに是非取り入れたいし、親の私自身も。

自分の頭で考え、自ら学習する習慣をつけていこう(素朴な疑問と新たな問い)

子どもたちに学習させる前に身につけさせるべきものとして、著者は「興味や好奇心を刺激することで、学習へと向かう姿勢や良い習慣を身に着けさせること」が大事としています。

家庭での子どもとのやりとりで、是非取り入れたいのが次のプロセスです。

「素朴な疑問に目を向ける→新たな問いが生まれる→その問いを深く考えるために手を動かす→その過程で気づいた思い込みや常識を疑う」

「とりあえず、勉強しておかないと」とか、周りに流されて、思考停止しないように。

大きなビジョンを描きましょう!

少年よ大志を抱け!ですね。大人になると忘れつつありますが、少年でなくても、大志を抱いて生きましょう。

大きなビジョンを描きなさい。たとえ自分が生きている間に実現できなくとも、円の一部にしかなれなくても、後に続く者たちがいつかその円を完成してくれる。シゲアキ・ヒノハラ

引用元:「冒険の書 AI時代のアンラーニング」 著者 孫泰蔵 

熊谷 晋一郎氏の「依存先を増やしていくこと」こそが自立だ、という考え方も紹介されています。

孫泰蔵氏のお父様の言葉がいい!

本書ではところどころに、孫泰蔵氏のお父様の話が出てきますが、頭の柔らかい方ですね。九州訛りのお父様の言葉がいいです。

「泰蔵。ここはこういう立地で、こういう客がいて、市場としてこれくらいの規模が見込めるのだけれど、お前はどう思う?」と(小さい)僕に意見を求めてくるのです。それはよかアイデアやなぁ。発想が斬新だと喜んでくれる。

引用元:「冒険の書 AI時代のアンラーニング」 著者 孫泰蔵 

人の言うことを鵜呑みにしないで常に自分の頭で考える習慣をつけるという大切さを説くのに、お父様が使った表現からも聡明さがうかがわれます。

「しかし、それを当時僕のような小さい子にふつうに言ってもなかなか響くはずがありません。なので、父は『ガッコーのシェンシェイの言うことは聞いたらイカンバイ!』と逆説的な表現をしたのだと思います」

引用元:「冒険の書 AI時代のアンラーニング」 著者 孫泰蔵 

著者は「少なくとも自分の人生に関することは親の言うことを聞いてはいけない」とも言っていますが、親になった今、頷ける部分があります。

話は少し外れますが、今年2月のニュースで、三重県津市の小学生の兄弟が山で探索していて中世の遺跡を発見した話がありました。

空手の先生と山に入っていくという地方だからこそ出来るゆとり、子どもが不思議に思った石をどけて掘ってみたという子どもの感覚、いいですね。

兄弟が山を探索中に大発見!掘り出したものを調べてみると…なんと約900年前の鏡や壺 三重・津市(中京テレビ)

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